夏の日差しを遮り、ささやかな「涼」で暑さを和らげてくれる『日傘』は日差しの強い夏に欠かせないアイテム。
年々厳しさを増す夏の暑さ少しでも和らげ、夏の和装もしっかりお洒落をして楽しみたい。
そんな想いから作り上げた日傘がこの『藍影』である。
<日傘 - 藍影〜蝶>
生地には江戸時代から続く伝統染色技法「長板中形」で染め上げた藍染反物を使用。
「傘」というアイテムの特性を考え、より染柄を楽しめるように表裏異なる柄を染め付けた”長板両面正藍染”を選んでいる。
見る人は外側の柄を、使う人は内側の柄を楽しめるという寸法である。
<板に生地を張り付け型紙の上からヘラを使って防染糊を塗りつける。この工程は"初山寛"氏が手掛けている>
<防染糊が置かれた状態の生地。この茶色い部分が防染され生地の色のまま染まらずに残る>
<表裏異なる柄に染め上げた反物。一反に二反分の手間が掛かっている>
<生地は綿縮。強撚糸で織り上げる事で夏らしいサラリとした質感に仕上がる>
通常は浴衣として仕立てる反物である。傘としても「柄」が活きる様、柄合わせや持ち手などパーツの素材に至るまで、傘づくりの職人さんと共に作り上げた。
<手元の素材は「竹」。持ちやすくする為に形状はややカーブしたものにしている>
<指にフィットする竹の節>
<中棒は強度と耐久性に優れた「樫」を使用。素材の質感を損なわぬよう下はじきは金具の印象を極力抑えたものに>
<親骨は黒で柄とのコントラストをシックな印象に>
<高級感が増す石突の光沢>
<こだわった柄合わせ。職人の感性も光る仕上がり>
<手で染め、手で作り上げた傘は畳まれた姿も美しい>
夏の和装を、お洒落を楽しむという事に加え、伝統染色技法で染め上げた生地に、その美しさに、その魅力に触れて頂きたい。
そんな想いも込めて、藍染の生地で影を作り涼をとるということで『藍影 - らんえい』と名付けた本品。
表裏の柄を厳選した全3タイプ。
数年ぶりに気兼ねなく楽しめるであろうこの夏に、是非手にして頂きたいお薦めの逸品である。
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<日傘 - 藍影〜立涌桔梗>
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<日傘 - 藍影〜波>
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荒井呉服店 謹製 長板両面正藍染 - 日傘
『藍影』
価格:87,800円(税込)
photo&text - Ryusuke Ishige / Iwata