京友禅 高橋啓 謹製〜女児初着 -『若松文』

高橋啓-友禅13

 

京友禅工房「高橋啓」に制作を依頼した女児初着を"手挿友禅"の制作工程と共にご紹介します。

 

当店で扱う初着をこれまでにも手掛けて頂いている友禅工房「高橋啓」にお伺いして、制作工程の一つ「手挿友禅」を見学させて頂きました。

 

<色とりどりの染料>

 

 

<染料に合わせて使い分けられる筆>
工房によって作風が異なるのはもちろんですが、その中でも筆をとる工芸師によって色の出方など仕上がりが微妙に異なってまいります。
今回の初着も柄、色の仕上がりに合わせた工芸士に手掛けて頂いております。

 

<筆を巧みに使い、色を挿す>

 

<色の出し方、筆使いに工芸士の美的感性が表れる>

 

 

<柄の輪郭に沿って付けられた糸目糊>

 

 

<細やかに色が挿される。糸目糊の部分は白い輪郭となり仕上がる>

 

<細やかに色が挿される。糸目糊の部分は白い輪郭となり仕上がる>

 

<作業台の上に下がる松と富士山のお手製モビールが可愛らしい>

 


 

 


 

しっとりとしなやかな肌触りの上質な綸子地を深く鮮やかな赤に染めつけた本作。

紗綾型の地紋がその上から引いた色と上質な質感とを一層に際立たせます。

 

丁寧に染め描いた文様は「若松文」。

「松」は一年中緑を保つ常緑の植物というところから長寿の象徴とされ、古来より吉祥の文様としても親しまれてまいりました。

数ある松文様の中でも芽生えて間もない松を描いた「若松文」は、平安時代の「子日の遊び」に由来し、その若々しさから新春を祝うに相応しい文様ともされています。

 

若松文にも様々な描写がございますが、高橋啓の図案から描いた本作は”丸み”が強調されているのが特徴です。丸みは柔らかさと若々しさを表し、初着に相応しい仕上がりとなっております。

 

 

<丁寧で細やかな友禅と初着ならではの可憐な色彩>

 

<上質な生地を用いるからこそ可能となる無地場が活かされた構図>

 

<「余白の美」が際立つ>

 

<浮き上がる紗綾型の地紋と色鮮やかな若松文の美しいコントラスト>

 

<若松文から色を取り合わせた若草色の襦袢>

 

子を授かった御礼と健やかな成長を神様に祈願する「初宮参り」。

その神前に立つ際のお子様の正装がこの「初着 - 産着」です。

この大切な節目のお祝いを美しく彩り、お子様はもちろんご家族皆様にとっても大切な記念にして頂きたいという想いを込めてご用意した荒井呉服店の女児特選初着『高橋啓謹製 - 若松文』。

自信を持ってお勧めする仕上がりとなりました。

 

京友禅 高橋啓 謹製 女児初着『若松文』

価格:698,000円

 

photo&text Ryusuke Ishige
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